筋肉は何歳まで増える?|90代でも増えた研究結果
- この歳から始めても、もう手遅れだと思っている方
- 始めてはみたけれど、半信半疑でいる方
- 若い頃と同じようにはいかず、戸惑っている方
「この歳から始めても、もう筋肉はつきませんよね?」
よくいただく質問です。半分あきらめたような口調で聞かれることが多いです。
答えは決まっています。つきます。
しかも、90歳を超えた方でも確かめられています。
ただ、「何歳でも大丈夫です!」で終わらせるつもりはありません。歳をとって変わる部分は、確かにあるからです。両方お伝えします。
この記事の結論を先にお伝えします
- 90歳を超えても、筋肉が増えることは確かめられている
- 何もしていない状態では、加齢で反応が鈍る。ただし運動を加えると、その差は見えなくなる
- 長い目で見ると、若い頃よりやや時間はかかる
- 効いていたのは、量ではなく続けた期間
90歳を超えても、筋肉は増えていた
まず、はっきりした答えからお伝えします。
有名な研究があります。平均90歳、施設で暮らしていて、体力がかなり落ちていた方10人を対象に、8週間の筋力トレーニングを行ったものです。
最後まで行った9人の結果が、こちらです。
| 項目 | 8週間後 |
|---|---|
| 筋力 | +174% |
| 太ももの筋肉の断面積 | +9.0% |
| 歩く速さ | +48% |
参加者には、96歳の方も含まれていました。

「この歳では無理」という年齢は、まだ見つかっていません。90歳を超えて、体力が落ちた状態からでも増えています。
私の目の前でも、「もう遅い」とおっしゃりながら始めて、そこから体が変わっていった年配の方がいらっしゃいます。
「歳をとると筋肉がつきにくい」は半分だけ正しい
とはいえ、「何歳でも同じ」と言うつもりはありません。ここからが本題です。
2026年に発表された研究のまとめがあります。46の研究、高齢者700人と若年者580人のデータを集めて、筋肉が作られる反応を年齢で比べたものです。
| 場面 | 高齢者と若年者の差 |
|---|---|
| 何もしていないとき | 高齢者のほうが低い |
| 食事をとったあと | 高齢者のほうが低い |
| 運動をしたあと | 差は認められず |
| 運動と食事を組み合わせたあと | 差は認められず |
表を、もう一度見てください。
差が出ていたのは、運動をしていない場面でした。運動を加えると、その差は見えなくなっています。
つまり「歳をとると筋肉がつきにくい」は、何もしていない状態については、当たっています。ただし、運動をしたあとの反応では、年齢による差がついていませんでした。

「歳のせい」だと思っていたものの一部は、「動いていないこと」のほうだったのかもしれません。
※この研究が見ているのは、運動した直後の短時間の反応です。何か月も続けた結果とは別の指標なので、次の章もあわせてお読みください。
筋肉は増える。でも若い頃と同じやり方では足りない
では、長い目で見るとどうか。ここは正直にお伝えします。
長期のトレーニングによる筋肉の線維の太さの変化について、たくさんの研究をまとめて分析した報告(メタ分析)があります。そこでは、年齢が上がるほど、変化はやや小さくなると報告されています。ただし、その差の程度は控えめだとされています。
もう1つ、食事の面でも変わることがあります。
加齢とともに、同じ量のタンパク質では、筋肉を作る反応が起きにくくなることが知られています。裏を返せば、量を増やせば若い頃と同じような反応が得られるとも報告されています。
実際にお話を聞いていると、タンパク質の摂取量が足りていない方は多いです。若い頃と同じ食事のままでは、足りていない可能性があります。
高齢者はたんぱく質をどれくらい摂ればいい?
目安が2つあります。
ひとつは『日本人の食事摂取基準(2025年版)』です。65歳以上について、たんぱく質を総エネルギーの15%以上とることが、目標量の下限として示されています。フレイル(加齢で心身が弱っていく状態)を防ぐという観点から、この点が以前より強く打ち出されました。
もうひとつは、体重を基準にした目安です。国際的な専門家グループの推奨では、こうなっています。
| 対象 | 1日のたんぱく質の目安 |
|---|---|
| 一般的な成人 | 体重1kgあたり 0.8g |
| 健康な高齢者 | 体重1kgあたり 1.0〜1.2g |
| 体重50kgの方なら | 1日 50〜60g |
一般的な成人の目安より、2〜5割ほど多い設定です。同じものを同じだけ食べていると、足りなくなっていく、ということでもあります。
※これは体を維持することを目的にした目安です。積極的に筋肉を増やしたい場合の量は、これより多くなります。詳しくは【保存版】年齢・目標体重別カロリー、タンパク質、脂質、糖質摂取目安とアドバイスをご覧ください。

「増えない」ではありません。「同じやり方では足りないことがある」です。ここは分けて考えてください。
筋肉を増やすなら、量より続ける期間を見る
では、何を優先すればいいのか。
先ほどの報告には、もう1つ分かったことがあります。筋肉が増えるかどうかに効いていたのは、年齢でも、運動の量でもありませんでした。
いちばん効いていたのは、続けた期間でした。
焦って量を増やすより、長く続けるほうが効く、ということです。
遅いと感じている方に、お伝えしていること
- いきなり量を増やさない
- タンパク質は、若い頃より意識して増やす
- 数週間で判断しない
最初の約4週間は、筋肉より「使い方」が変わる
「数週間で判断しない」と書いたのには、理由があります。
トレーニングを始めてから何が変わっていくのか、順番が分かっています。
| 時期 | 主に変わっているもの |
|---|---|
| 最初の約4週間 | 筋肉の動かし方(いまある筋肉を、より多く働かせられるようになる) |
| 6週目あたり〜 | 筋肉そのものが、太くなりはじめる |
| 8週目以降 | 力が伸びる主な理由が、筋肉の量そのものに変わる |
始めて最初のうちに力が出るようになるのは、筋肉が増えたからではありません。
もともとある筋肉を、うまく使えるようになったからです。鏡を見ても、体つきはまだほとんど変わっていない時期です。

ここでやめてしまう方が多いのですが、筋肉が増えるのは、これからです。
※筋肉の動かし方の変化は、最初の数週間で終わるわけではなく、そのあとも続くとされています(2026年に発表された研究のまとめでも指摘されています)。きれいに切り替わるものではない、という点はご承知おきください。
変化が見えない時期を、どう受け取るかについては、筋肉痛が出ないと効果なし?|心配しなくていい理由でもお伝えしています。
40代からの運動については、科学的に証明された“運動習慣の力”。40代から始めるべき3つの理由もあわせてご覧ください。
まとめ
- 90歳を超えても、筋肉が増えることは確かめられている
- 何もしていない状態では、加齢で反応が鈍る
- ただし運動を加えると、その差は見えなくなる
- 長い目で見ると、若い頃よりやや時間はかかる
- タンパク質は、若い頃より意識して増やす
- 最初に変わるのは、筋肉の太さではなく動かし方
- 効いていたのは、量より続けた期間
「もう歳だから」は、始めない理由にはなりません。
ただ、若い頃と同じやり方でいい、という話でもありません。
年齢は、あきらめる理由ではなく、やり方を変える理由です。
遅いと感じている方も、一度ご相談ください
「いまさら始めても、という気持ちがある」
「若い頃と同じやり方でいいのか分からない」
そんな方は、一度ご相談ください。
まちの隠れ家ジム宿河原では、その日の状態を見ながら内容を決めています。いきなり量を増やすことはしません。
気になる方は、こちらから詳細をご覧ください。
https://machigym-syukugawara.com/