このような方にお勧めの記事です
  • お腹が空いたまま運動すると、力が出ないか心配な方
  • 食べてすぐ運動すると、気持ち悪くなりそうで迷う方
  • 「空腹のほうが脂肪が燃える」と聞いたことがある方

朝ごはんを食べずに運動するとき、「お腹が空いたままだと、力が出ないかも…」と思う。

かといって、食べてすぐ動くと「気持ち悪くなりそう…」。

一体どうしたらいいの?と迷ったことはありませんか?

実際、お客様からも「お腹が空いた状態で運動してもいいですか?」と聞かれることもあれば、「食べてすぐ運動してもいいですか?」と聞かれることもあります。

結論からお伝えすると、多くの方は、ご自身が動きやすいほうで大丈夫です。

空腹のまま筋トレを続けても、食べてから続けても、筋肉や筋力のつき方にはっきりした差は出ていない、という研究があります。

ただ、同じ重さを何回持ち上げられるかは、食べていた日のほうが多かったという研究もあります。私自身も、お腹が満たされているとき(動いて気持ち悪くならない程度に)のほうが、力を出しやすいと感じています。

この記事では、研究で分かっていることと、空腹のまま動くか、食べてから動くかを決める目安をお伝えします。「空腹のほうが脂肪が燃えるって聞いたけど?」という話も、あわせて整理します。

早速見ていきましょう。

この記事の結論を先にお伝えします

  • 空腹で筋トレしても、食べてからでも、筋肉と筋力の伸びにはっきりした差は出ていない
  • 空腹で運動したほうが体脂肪が減りやすい、とは今の研究では言い切れない
  • だから、力が出て、気持ち悪くならないほうを選べばいい

空腹でも食後でも、続けた先の結果にはっきりした差は出ていない

まず気になるのは、「空腹で運動したら、効果が落ちるのでは?」「逆に、空腹のほうが脂肪が燃えるのでは?」というところですよね。

結論から言うと、空腹で運動しても、食べてから運動しても、何週間か続けた先の筋肉・筋力・体脂肪には、はっきりした差は出ていません。順番に見ていきましょう。

筋肉と筋力のつき方に、はっきりした差は出なかった

2025年の研究で、夜から10〜12時間何も食べていない状態で筋トレしたグループと、食べてから1〜2時間後に筋トレしたグループを、12週間比べています(若い成人28人、週2回)。

12週間での伸び空腹で筋トレ食べてから筋トレ
太ももの前の筋肉の厚さ+1.21cm+1.18cm
ベンチプレスで持ち上げられる最大の重さ+10.5kg+4.9kg
レッグエクステンション(座って膝を伸ばす筋トレ)で持ち上げられる最大の重さ+28.5kg+29.3kg

どちらもしっかり伸びていて、はっきりした差はありませんでした。

ベンチプレスは空腹のほうが伸びていますが、人数が少ないので、「空腹のほうがいい」とまでは言えません。筋トレの研究を4件まとめた報告でも、筋肉の量と筋力に差は見つかっていません。

※12週間の研究は若い方が対象です。40〜50代の方で同じ比較をした研究は見当たりませんでした。また、4件をまとめた報告は、そのうち3件の研究の質に問題があると書いています。

「空腹のほうが脂肪が燃える」は本当?

「空腹で運動したほうが、脂肪が燃える」

この話を聞いて、朝は食べずに運動したほうがいいのかな、と思ったことはありませんか?お客様の中にも、この話をご存じの方がいらっしゃいます。

たしかに、運動している最中は、空腹のほうが脂肪が使われやすくなります。

有酸素運動の研究27件(273人)をまとめた報告では、空腹で運動したほうが、運動1回あたり平均で約3g多く脂肪が使われていました。油でいうと、大さじ1杯(約13g)の4分の1くらいです。

ただ、本当に知りたいのは「運動中に脂肪が使われたか」より、「体脂肪が減るか」ですよね。

じつは、運動中に多く使われた脂肪が、そのまま体脂肪の差になるとは限りません。運動中に脂肪を多く使っても、そのあとの時間に、体が使う燃料(脂肪と糖)の割合を調整して、埋め合わせているのでは、という考え方があるんです。

実際、何週間か続けて体脂肪を比べた研究を見ると、結果が分かれています。

  • 有酸素運動の研究(5件・96人)をまとめた報告:差はごくわずか
  • 筋トレの研究(4件)をまとめた報告:空腹のほうが減っていた(ただし研究の質が低い)

空腹で運動したほうが体脂肪が減りやすい、とは言い切れないんです。

一方で、長い時間続ける有酸素運動は、食べてからのほうがパフォーマンスがよかったという結果も出ています。

ここからは私の考えですが、食べていたほうが長く・強く動けるなら、そのぶん使うエネルギーも増えます。空腹で脂肪が使われやすい分は、そこで埋まってしまうことも考えられるんですね。

筋肉と筋力も、体脂肪も、続けた先の結果にはっきりした差は出ていない。つまり、空腹と食後、どちらかに無理に合わせる必要はないということです。

では、何で決めればいいのでしょうか。

決め手は、その日に「力が出るか」「気持ち悪くないか」

私は、その日の体の感じ方で決めていいと思います。見るのは、「力が出るか」「気持ち悪くないか」の2つです。

  • 空腹のままだと力が出ない、気分が悪くなる → 食べてから
  • 食べてから動くと気持ち悪くなる → 空腹のままでいい
  • どちらも気にならない → 動きやすいほうでいい

空腹で力が出ない・気分が悪くなるなら、食べてから

「空腹だと、なんだか力が出ない」

そう感じる方もいらっしゃいますよね。実際、お客様の中にも、空腹だと力が入らないと感じている方がいらっしゃいます。

私自身も、お腹が満たされているとき(動いて気持ち悪くならない程度に)のほうが、力を出しやすいと感じています。

この感覚は、気のせいではありません。

2019年の研究で、朝ごはんを食べた日と、水だけの日を比べています。どちらの日も、同じ重さのスクワットとベンチプレスを、限界まで4セットくり返しました。

合計の回数朝ごはんを食べた日水だけの日
スクワット68回58回
ベンチプレス40回38回

朝ごはんを抜いた日は、同じ重さを持ち上げられる回数が減っていました。続けた先の結果には差が出なくても、その日のトレーニングでは差が出ることがある、ということですね。

※この研究は、ふだん朝ごはんを食べている、筋トレ経験のある男性(16人、平均23歳)が対象です。朝は食べない習慣の方に同じように当てはまるかは分かりません。

また、空腹のまま運動して、気分が悪くなってしまった方にお会いしたこともあります。

私は指導の中で、空腹がマイナスに働いているなと判断したときは、トレーニング前の食事についてお伝えすることがあります。

空腹で力が入らないと感じるなら、食べてからのほうが、しっかり重さを扱えます。

食べると気持ち悪いなら、空腹のままでいい

反対に、お客様の中には、お腹に何か入っていると気持ち悪くて動けないという方もいらっしゃいます。

もちろん、朝は食欲がなくて食べられないという方もいると思います。その場合は、無理に食べなくて大丈夫です。

同じ「空腹」でも、合う・合わないは人によって違うんですね。

「空腹で運動するのが正解」「食べてから運動するのが正解」と、どちらかに決めつける必要はない、ということですね。

「食べてすぐ運動してもいいの?」

これは、運動の強さ、食べたもの、その方の体質で変わります。

運動中の胃腸の不調についてまとめた報告では、強い運動をすると腸へ流れる血液が減ることが、不調の主な原因のひとつと考えられています。食べるものの選び方で、不調を減らせるとも書かれています。

動いてみて気持ち悪くならなければ、大丈夫です。

ちなみに、食後に座り続けるより、こまめに軽く歩いたほうが、食後の血糖値の上がり方がゆるやかだったという報告もあります。

※胃腸の不調の報告は、主に持久系のスポーツ選手についてのものです。血糖値の報告は、主に体重が多めの方を対象にしています。

血糖を下げる薬を使っている方へ

インスリンや一部の飲み薬など、血糖を下げる薬を使っている方は、空腹時の運動で低血糖を起こすおそれがあります。運動のタイミングや食事は、主治医に相談してから決めてくださいね。

まとめ

  • 空腹で筋トレを続けても、食べてから続けても、筋肉と筋力の伸びにはっきりした差は出ていない
  • 空腹で運動したほうが体脂肪が減りやすい、とは今の研究では言い切れない
  • だから、その日に「力が出るか」「気持ち悪くないか」で決めていい
  • 血糖を下げる薬を使っている方は、空腹時の運動を控え、主治医に相談する

空腹で行くか、食べてから行くか。ここで悩んで、運動そのものを先延ばしにしてしまうのが、いちばんもったいないと思います。

迷ったら、力が出るか、気持ち悪くならないかで決めてしまいましょう。

運動する時間帯で迷っている方は、筋トレは朝と夜どっちがいい?|決め手は時間帯ではなかったもあわせてご覧ください。運動後の食事のタイミングが気になる方は、プロテインは運動後30分以内?|急がなくていい理由で詳しく書いています。

当ブログでは、今回のような「よく聞くけれど、本当かどうか分からない話」を、研究にあたって確かめています。気になるテーマがありましたら、また覗いてみてください。

運動前の食事も、一緒に考えませんか

「朝は食べずに運動しているけれど、力が出ない気がする」

「食べてから行くと、動いたときに気持ち悪くなる」

そんな方は、一度ご相談ください。トレーニングの時間帯や、ふだんの食事を伺ったうえで、動きやすい形を一緒に見つけていきましょう。

気になる方は、こちらから詳細をご覧ください。

https://machigym-syukugawara.com/