このような方にお勧めの記事です
  • 朝と夜、どちらに運動したらいいか迷っている方
  • 朝が苦手で、朝の運動をあきらめている方
  • 夜に運動すると、眠れなくならないか心配な方

「朝と夜、どっちに運動したほうがいいですか?」

そう聞かれることがあります。

朝が苦手な方、夜は予定が入りやすい方。選び方で結果が変わるなら、無理をしてでも「効くほう」に合わせたくなりますよね。

先にお伝えします。研究を調べてみると、何週間も筋トレを続けたあとの筋力の伸びや筋肉の増え方には、朝と夜ではっきりした差が出ていませんでした。

実際、指導していても時間帯によって力の出方が違うと感じることはあります。ただ、それはその日その時の話で、続けた先の結果とは別でした。

この記事では、何を基準に選べばいいのかと、夜にやる場合の睡眠の注意まで整理します。早速見ていきましょう。

この記事の結論を先にお伝えします

  • 平均で見ると、持ち上げられる重さは夕方から夜のほうが高い
  • ただし個人差が大きく、朝が得意な方もいる。朝に続けていれば朝の筋力も上がってくるので、気にしすぎなくていい
  • 何週間も続けたあとの筋力の伸び・筋肉の増え方・体重の減り方は、朝でも夜でも同じだった
  • だから決め手はどちらが続くか。夜の運動で寝つきが悪くなる方だけ、激しい運動を寝る直前にしない

朝と夜、どちらに運動したらいいかと聞かれる

「朝が苦手なので夜にしたい」「夜は時間が取れないので朝にしたい」

こうした形で、ご相談を受けることもあります。つまり、質問される時点で事情のほうはもう決まっているんですね。

  • 朝は起きるのがつらいので、できれば夜にしたい
  • 夜は仕事や家の用事が入るので、朝しか時間がない
  • 本当は朝がいいと聞いたけれど、続く気がしない

ということは、知りたいのは「どちらが正解か」ではなく、「自分の事情で選んで大丈夫か」ではないでしょうか。

結論から言えば、大丈夫です。順番に見ていきましょう。

平均すると、力が出やすいのは夕方から夜にかけて

同じ方でも、朝にトレーニングするときと、夜にするときとでは、力の出方が違うと感じることがあります。

これは、研究でも同じ方向の結果が出ています。

2019年に、朝と夜の筋トレを比べた研究を11件集めてまとめた報告があります。

この報告では、同じ人の筋力を、朝と夜それぞれで測っています。

平均すると、夜に測ったほうが高く出ていました。

理由のひとつとして挙げられているのが体温です。夕方にかけて体温は上がっていくので、筋肉も動かしやすい状態になります。

※これは平均の話で、全員に当てはまるわけではありません。朝型の方は夕方のほうが力が落ちる、という報告もあります。どのくらい個人差があるかは、まだ分かっていません。

朝起きてすぐは体が重い、と感じる方が多いのも、これと関係しているのかもしれませんね。

ここまでだと「じゃあ夜のほうがいいのでは」となりますよね。

ところが、続けた先の話になると変わってきます。

朝でも夜でも、続けた後の筋力と筋肉は変わらなかった

同じ2019年の報告で、何週間も続けたあとの変化も比べられています。

比べたもの朝と夜の違い
筋力の伸び同じくらい
筋肉の増え方同じくらい

2023年には、26件の研究を集めた報告も出ています。こちらの結論も、特定の時間帯が有利という証拠も、不利という証拠も見つからなかったというものでした。

体重や体脂肪についても、調べた研究があります。こちらは筋トレではなく、有酸素運動を使った研究です。

運動習慣のない100人を、朝(6〜9時)に運動するグループと夕方(16〜19時)に運動するグループに分けて、12週間追いかけました。

グループ体重の変化
朝(6〜9時)−2.7kg
夕方(16〜19時)−3.1kg

研究者の結論は、「運動に最適な時間帯があるとは言えない」でした。

※2023年の報告は、集めた研究の多くで質に問題があったと研究者自身が書いています。「差がない」と確定したわけではなく、「差があるという証拠が見つかっていない」という段階です。また、体重を調べた研究の対象は、太り気味で運動習慣のない方100人でした。

ちなみに、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」にも、運動する時間帯の指定はありません。

朝に運動を続ければ、朝の筋力も上がってくる

ここが、いちばん知っていただきたいところです。

先ほどの2019年の報告に、こんな結果があります。

朝に鍛え続けた人は、朝の筋力が、夜と同じくらいまで上がっていました。

もともとは、朝のほうが力が出にくい状態でした。それが、朝に続けることで埋まっていったわけです。

つまり、朝が苦手な方でも、朝に続けていれば朝の体はそれに慣れていくということですね。

「朝は力が出ないから向いていない」と決める必要はない、ということですね。

朝と夜を選ぶ基準は、続けやすいかどうか

では、何で決めればいいのでしょうか。

参考になる研究があります。減量に成功して、その体重を維持している709人を1年間追いかけたものです。

運動する時間帯を「早朝」「午前」「午後」「夜」に分けて調べたところ、こうなっていました。

  • 時間帯が何時であれ、毎回同じ時間帯にそろえている人のほうが、運動量が多かった
  • 中でも早朝にそろえている人は、運動が習慣として定着しやすかった

大事なのは「何時か」ではなく「毎回同じか」だったんですね。

※この研究の対象は減量後の体重を維持している方で、「同じ時間帯にしたから続いた」のか「続けられる人がもともと時間をそろえやすい」のかまでは分かりません。

朝に時間を作れる方は、朝にそろえてしまうのがいちばん習慣になりやすいと思います。

もちろん、朝がどうしてもつらい方が無理に早起きする必要はありません。夜にそろえられるなら、そのほうが続きます。

朝の時間の使い方については、朝からだるい人に”朝の散歩”がおすすめな理由|セロトニンと生活リズムの話もあわせてご覧ください。

夜に運動しても、睡眠の質は悪くならない

「夜に運動すると、目が冴えて眠れなくなりませんか?」

これもよく聞く心配です。

23件の研究をまとめた報告では、夜に運動しても睡眠は悪くなっていませんでした。むしろ深い睡眠が少し増えていたくらいです。

ただし、ひとつだけ但し書きがついています。

激しい運動が、寝る1時間前までに終わる場合です。

この場合は、寝つくまでの時間が延びたり、睡眠時間が短くなったりすることがある、と書かれています。

ただ、これは全員が避けるべき、という話ではありません。報告の中でも、この関係は研究を1件外すと見えなくなる程度のものでした。

つまり、夜に運動しても寝つきが変わらない方は、気にしなくて大丈夫ということです。

別の報告(15件の研究・194人)では、寝る2〜4時間前に終わっていれば、強めの運動でも睡眠は妨げられていませんでした。

ちなみに、その間(寝る1〜2時間前)については、どちらの報告もはっきりしたことを示していません。

※この報告の対象は、18〜50歳で、ふだんよく眠れている方です。もともと眠りが浅い方に、そのまま当てはまるとは限りません。

夜に運動した日は寝つきが悪い、と感じている方へ

  • 23時に寝るなら、19〜21時ごろまでに終える
  • どうしても遅くなる日は、強度を落とす

心当たりのない方は、時間帯を気にせず、続けやすい時間に置いて大丈夫です。

ここは本当に、人によって違います。

私はスタジオインストラクター時代、22時30分に終わるレッスンを担当していた頃は、0時までに眠れたことがありませんでした。一方で、お客様の中にはまったく気にならず、23時30分には眠れている方もいらっしゃいました。

まとめ

  • 平均で見ると、持ち上げられる重さは夕方から夜のほうが高い
  • ただし個人差が大きく、朝が得意な方もいる。朝に続けていれば朝の筋力も上がってくる
  • 続けたあとの筋力の伸び・筋肉の増え方・体重の減り方に差は出ていない
  • 続けやすいのは「何時か」より「毎回同じ時間か」
  • 夜に運動した日は寝つきが悪いと感じる方だけ、激しい運動を寝る直前にしない

「朝のほうがいいらしい」と聞いて、早起きに挑戦しては続かず、そのまま運動から離れてしまう。これがいちばんもったいないパターンだと思います。

時間帯で悩むより、続けられる時間に置くほうが先です。

続け方そのもので迷っている方は、ジム初心者ほど”最初から週2〜3回を目指しすぎない方がいい”理由|続けるための考え方もあわせてご覧ください。

当ブログでは、今回のような「よく聞くけれど、本当かどうか分からない話」を、研究にあたって確かめています。気になるテーマがありましたら、また覗いてみてください。

続けられる時間帯を、一緒に見つけませんか

「朝しか時間が取れないけれど、体が動くか不安」

「夜は疲れていて、運動する気力が残っていない」

そんな方は、一度ご相談ください。生活のリズムを伺ったうえで、続けられる形を一緒に決めていきましょう。

「朝と夜のどちらがいいか」も、研究の平均ではなく、その方の生活で決まります。迷っている時間がもったいないので、早めに決めてしまいましょう。

気になる方は、こちらから詳細をご覧ください。

https://machigym-syukugawara.com/