このような方にお勧めの記事です
  • 筋トレで腕や脚が太くなるのが心配な方
  • これから筋トレを始めたいけれど、ムキムキになるのは避けたい方
  • 太くなりたくなくて、重さを上げるのをためらっている方

「筋トレをすると、ムキムキになりませんか?」

スポーツクラブに勤めていた頃、そう聞かれることがありました。

今はパーソナルの現場でそのように聞かれることはありませんが、ジムに通っていない方の中には、そう心配されている方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん、腕や脚が太くなるのは嫌だ、という気持ちもあると思います。

では実際のところ、女性が筋トレをすると太くなるのでしょうか?

研究を調べてみると、男性ほどは太くなりにくいことが分かっています。ただ、絶対に太くならない、というわけでもありません。

実際、スポーツクラブ時代には、ご自身で一生懸命トレーニングをして、意図せず腕が太くなってしまって相談に来た方もいらっしゃいました。

ただ、太さは、やり方次第で調整できます。重さを怖がる必要はありません。

では、どう調整すればいいのでしょうか。早速見ていきましょう。

この記事の結論を先にお伝えします

  • 女性は男性に比べて、筋肉が太くなりにくい
  • ただし個人差が大きく、「女性だから太くならない」とは言い切れない
  • 筋肉が太くなるのは、「キツい」と感じる量をこなしたとき。重さそのものではない
  • 筋肉は急には太くならないので、鏡で様子を見ながら、量とキツさで調整すればいい

筋トレで太くなるのが心配、という声は昔からある

「筋トレをすると太くなる」という情報は、今もよく見かけます。

そして指導の中でも、重さを一定以上は上げたがらない方はいらっしゃいます。

理由は人それぞれだと思います。

ただ、もし「重くすると太くなりそうだから」が理由だとしたら、この記事はきっと役に立つはずです。

まずは、そもそも女性は筋トレでどのくらい太くなるのか、から見ていきましょう。

女性は、男性ほど筋肉が太くなりにくい

男性と女性では、もともと持っている筋肉の量が違います。

18〜88歳の男女468人の筋肉の量を、MRIで測った研究があります。

筋肉の量(平均)
男性33.0kg
女性21.0kg

そして、この男女の差は下半身より上半身のほうが大きい、という結果でした。

この差を生んでいる主な要因と考えられているのが、男性ホルモン(テストステロン)です。大人の男性は、女性のおよそ10倍の量を持っているとされています。

では、筋トレをしたときはどうでしょうか?

男女に同じ筋トレをしてもらった研究をまとめると、筋肉が増えた量は、男性のほうが大きいという結果が出ています。50歳以上の男女1,410人(うち女性759人)をまとめた報告でも同じでした。

女性は、男性ほど筋肉が太くなりにくい。「ムキムキ」の心配は、男性に比べれば低いと言えます。

ここで安心された方もいらっしゃると思います。

ただ、「太くなりにくい」と「太くならない」は、別の話なんです。

「女性だから筋肉が太くならない」わけではない

先ほどの研究には、もうひとつ分かったことがあります。

増えた「量」ではなく、もとの太さに対して何%増えたかで比べると、男女ではっきりした差がなかったのです。

分かりやすく、たとえ話にするとこうなります。(研究の数字ではありません)

もとの太さ増えた量増えた割合
女性10+110%
男性15+1.510%

もともとの筋肉が少ない分、増える量は女性のほうが小さくなります。でも、筋肉の反応そのものが弱いわけではないんですね。

※「割合では差がない」は、45歳くらいまでを対象にした2つの報告(2020年、2025年)と、50歳以上を対象にした報告(2021年)で共通していました。ただし50歳以上の報告は、研究者自身が、集めた研究の質を「中程度」と評価しています。

そしてもうひとつ、大事なことがあります。人によって、増え方がまったく違うということです。

男女585人(うち女性342人)に、12週間、片方の腕だけ筋トレをしてもらった研究があります。

腕の筋肉の太さの変化は、−2%から+59%まで。ほとんど変わらなかった人もいれば、大きく太くなった人もいました。

これは、私が現場で見てきたことにも当てはまります。

冒頭でお伝えしたように、意図せず腕が太くなって相談に来た方もいらっしゃいましたし、筋トレを続けても体が大きくならなかった方もいらっしゃいます。

つまり、女性は太くなりにくい。でも、太くなる方もいる。

心配しすぎる必要はありませんが、「絶対に大丈夫」とも言えない、ということです。

では、筋肉はどんなときに太くなるのでしょうか?

筋肉を太くするには「キツい」量が必要

筋肉は、ただ動かしただけでは太くなりません。

分かりやすく言うと、「キツい」と感じる量をこなしたときに太くなります。

ここでいう「キツい」には、2つの意味があります。

  • 1回ごとのキツさ:もう上がらない、という限界にどれだけ近いところまでやるか
  • 量のキツさ:1週間に、その筋肉を使う種目を何セットやるか

これを調べた研究をまとめた報告が、どちらも出ています。

報告分かったこと
2024年
(研究のまとめ)
限界に近いところまでやるほど、筋肉は太くなっていた
2026年
(67件・2,058人)
1週間のセット数が多いほど、筋肉は太くなっていた
(ただし、増やすほど伸び方は小さくなる)

※2026年の報告は、参加者の約8割が男性で、平均年齢は25歳でした。2024年の報告は、研究者自身が「探索的な分析なので、解釈には注意が必要」と書いています。

重さそのものは、太さを決めていなかった

ここで「重いものを持つほど太くなるのでは?」と思われた方もいるかもしれません。

重い重さと軽い重さで比べた研究をまとめると、どちらも限界近くまでやった場合、太さの増え方に差はありませんでした(2017年・21件の研究のまとめ、2021年の別のまとめでも同じ結果)。

つまり、太さに関わっていたのは重さではなく「キツさ」だった、ということです。

筋肉の太さは、量とキツさで調整できる

ここまで分かると、調整のしかたも見えてきますね。

太くなりたくないなら、重さを避けるのではなく、量とキツさを調整すればいいのです。

しかも、ここにうれしい結果があります。

先ほどの2024年の報告では、限界に近いところまでやるほど太さは増えていましたが、筋力のほうは、余裕を残して終えてもほとんど変わりませんでした。

キツさを少し抑えても、筋力はちゃんと伸ばせるということです。

そして重さについては、持ち上げられる最大の重さ(筋力)は、重い重さでやったほうが伸びていました(2017年・2021年のまとめ)。

筋力は、階段を上る、荷物を持つ、椅子から立ち上がる、といった日常の動きに使う力です。40代後半から50代は、放っておくと筋肉が減っていく時期でもあります。

この時期の体の変化については、食べる量は変わっていないのに、お腹だけ出てきた|更年期に起きている”中身の入れ替わり”で詳しくお伝えしています。

太くなるのが心配で重さを上げずにいると、太さの調整にはならないまま、筋力の伸びだけを手放すことになるかもしれません。これは、もったいないですよね。

ちなみに、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、筋力トレーニングを週2〜3日行うことが勧められています。2026年の報告では、1週間にやる日数は、太さにはっきりした影響が確認できませんでした。日数はそのままに、1日あたりのセット数やキツさで調整する、という考え方ができますね。

筋肉は急には太くならないので、様子を見ればいい

「それでも、気づいたら太くなっていたらどうしよう」

そう思う方もいるかもしれません。

でも、筋肉は、朝目が覚めたら急に太くなっている、ということはありません。研究でも、筋肉の変化は数週間から数か月かけて測られています。

なので、ときどき鏡で自分の体を見ながら、「これ以上太くなったら困るな」と思ったタイミングで調整すれば大丈夫です。

調整するときは、その部分のセット数やキツさをはっきり減らしましょう。少し減らしただけだと、太さが保たれることもあります。

ちなみに、今の太さを減らしたい場合は、その部分の筋トレをしばらく休めば、少しずつ元に近づいていきます。休んだときの体の変化は、しばらく休んだら、また一からやり直し?|落ちるものと、残るもので詳しくお伝えしています。

まとめ

  • 女性は男性に比べて、筋肉が太くなりにくい
  • ただし個人差が大きく、太くなる方もいる
  • 筋肉が太くなるのは、「キツい」と感じる量をこなしたとき。重さそのものではない
  • キツさを少し抑えても、筋力は伸ばせる
  • 筋肉は急には太くならない。鏡で様子を見て、気になったら量とキツさをはっきり減らす

「太くなりたくない」という気持ちは、もちろん大切にしていいと思います。

ただ、そのために筋トレそのものや、重さを上げることを避けてしまうのは、もったいないです。

太さは、やり方次第で調整できます。

年齢を理由にためらっている方は、筋肉は何歳まで増える?|90代でも増えた研究結果もあわせてご覧ください。

太さが気になる方も、一度ご相談ください

「筋トレはしたいけれど、腕や脚は太くしたくない」

「どのくらいのキツさでやればいいのか、自分では決められない」

そんな方は、一度ご相談ください。太くしたくない部分があれば、遠慮なくお伝えくださいね。

気になる方は、こちらから詳細をご覧ください。

https://machigym-syukugawara.com/