このような方にお勧めの記事です
  • 筋トレのあとにビールを飲むと、筋トレの効果が消えてしまうのではと気になっている方
  • 筋トレの日に、どのくらいならお酒を飲んでいいのか知りたい方
  • 晩酌も筋トレも、どちらもやめずに続けたい方

筋トレを終えて家に帰り、冷蔵庫を開けると、冷えたビールが目に入る。

「せっかく筋トレしたのに、飲んだら効果が消えちゃうかな……」

そう思って、手が止まったことはありませんか?

実際、お客様から「筋トレのあとにお酒を飲んでもいいですか?」と聞かれることがあります。

ちなみに私も、筋トレをした日もふだんどおりお酒を飲んでいます。350mlの缶ビールを2本か、ビール1本と焼酎のソーダ割りを1杯、というのがいつもの量です。(それが良いかどうかは別として笑)

結論からお伝えすると、筋トレのあとにお酒を飲んでも、それだけで効果が消えるわけではありません。気にするべきは、飲むかどうかより、どれだけ飲むかです。

この記事では、飲む量によって結果が分かれた研究と、筋トレの日にお酒と付き合うコツをお伝えします。

早速見ていきましょう。

この記事の結論を先にお伝えします

  • 筋トレのあとにお酒を飲んでも、それだけで筋トレの効果が消えるわけではない
  • 気にするべきは量。少量なら筋力の回復に影響しなかった研究がある。たくさん飲むと、回復が遅れたり、筋肉を作る反応が下がったりしていた
  • 健康の面では、1日の純アルコールを男性40g(ビール1L)、女性20g(ビール500ml)より少なくするのが目安

筋トレのあとにお酒を飲んでも、効果が消えるわけではない

「筋トレのあとに飲んだら、せっかくのトレーニングが無駄になるのでは?」

そんな心配をしている方もいると思います。

ですが、筋トレのあとにお酒を飲んだからといって、それだけで筋トレの効果が消えるわけではありません。

お酒を飲む習慣がある人とない人で、筋肉の状態を比べた研究があります。主に中高年から高齢の方を対象にした62件・約45万人の研究をまとめた報告では、お酒を飲む人に、筋肉の量と筋力が落ちた状態(サルコペニア)が多いとは言えませんでした。

※お酒を飲む人と飲まない人を比べた研究です。飲んだほうが筋肉によい、という意味ではありません。

筋トレの日にお酒を飲んでも、それまでの筋トレが無駄になるわけではありません。

筋トレの効果に影響するかは、飲む量しだい

「じゃあ、どのくらいなら飲んでも大丈夫なの?」

お客様に「飲んでもいいですか?」と聞かれたとき、私は「量しだいです」と答えています。

前の章でお伝えしたのは、お酒を飲む習慣と筋肉の、長い目で見た関係でした。それとは別に、筋トレをしたその日に飲む量によって、そのあとの筋肉の戻り方が変わることがあるからです。

筋肉を傷めるようなきつい運動をすると、筋力は一時的に落ち、数日かけて元に戻ります。運動のあとにお酒を飲んだ場合と飲まなかった場合で、この戻り方などを比べた研究があります。

飲んだ量ごとに並べると、次のようになります。

飲んだ量
(体重1kgあたり)
体重60kgの人なら対象結果
0.5g約30g
(350ml缶ビール約2本)
男性10人筋力の戻り方は、飲まなかったときと変わらなかった
1g約60g
(350ml缶ビール約4本)
男性10〜11人
(2件)
運動の1日半後の筋力の落ち込みが大きくなった(飲まなかったときは約29%低下、飲んだときは約41%低下)
1.5g約90g
(350ml缶ビール約6〜7本)
男性8人筋肉を作る反応が、お酒を飲まずにタンパク質だけをとったときより24%低かった(タンパク質と一緒に飲んだ場合)

※350mlの缶ビール(5%)1本に含まれる純アルコールは約14gです。
※「筋肉を作る反応」とは、食べたタンパク質などを材料にして、筋肉を作る働きのことです。

飲んだ量が多いほど、筋力の戻りが遅れたり、筋肉を作る反応が下がったりしていたことが分かります。

ただ、いちばん多く飲んだ研究でも、筋肉を作る反応がなくなったわけではありません。運動をする前よりは高まっていて、その高まり方が小さくなっていました。

女性を対象にした研究もあります。筋トレの経験がある女性13人が、体重60kgの女性なら350ml缶ビール約3本半にあたる量を飲んだ研究では、筋力の戻り方は飲まなかったときと変わりませんでした。

※この研究は、体重から脂肪の重さを除いた重さ1kgあたりで、飲む量を決めています(1.09g)。体重60kg・体脂肪率25%の女性で計算しました。

ただ、13人の研究が1件だけなので、「女性は多めに飲んでも大丈夫」とまでは言えません。

ここで1つ、気をつけていただきたいことがあります。表のいちばん上の「約30g」は、筋力の戻り方に影響しなかった量です。健康の面で問題がない量、という意味ではありません。健康の面の目安は、次の章でお伝えします。

筋トレの効果を気にするなら、飲むかどうかより、どれだけ飲むかを気にしましょう。

お酒の健康の目安は、1日の純アルコールが男性40g・女性20g未満

「筋トレに影響しない量なら、飲んでも大丈夫なのかな?」

筋トレへの影響とは別に、健康の面でもお酒の量の目安があります。

厚生労働省のガイドラインでは、生活習慣病のリスクを高める量を、1日あたりの純アルコールの量で次のように示しています。

  • 男性:40g以上
  • 女性:20g以上

つまり健康の面での目安は、男性は40g、女性は20gより少ない量です。

純アルコールの量とは、お酒に含まれるアルコールの重さのことです。次の式で計算できます。

  • 飲んだ量(ml)×アルコール度数(%)÷100×0.8

よく飲まれるお酒で計算すると、次のとおりです。

お酒純アルコールの量
缶ビール 350ml(5%)約14g
缶ビール 500ml(5%)20g
缶チューハイ 350ml(7%)約20g
ワイン グラス1杯 120ml(12%)約12g
日本酒 1合 180ml(15%)約22g
焼酎(25度)60mlのソーダ割り12g

女性の場合、500mlの缶ビール1本で、目安の20gに届きます。

女性の目安が少ないのは、一般的に男性より体内の水分量が少なく、分解できるアルコールの量も少ないためです。女性ホルモンの働きなどによって、アルコールの影響を受けやすいことも知られています。

ただし、この目安は「ここまでなら安全」という量ではありません。ガイドラインにも、一人ひとりが飲んでもよい量を示したものではない、と書かれています。

病気ごとに見ると、もっと少ない量からリスクが上がるものもあります。たとえば高血圧は、男女とも少しでも飲むとリスクが上がるとされています。女性の乳がんは、1日あたり約14g(週に100g)からです。飲む量が少ないほどリスクが少なくなる、という報告もあります。

アルコールを分解する力にも、大きな個人差があります。分解する力が弱い場合などには、飲むと顔が赤くなったり、動悸がしたりすることがあります。同じ量を飲んでも、体への影響は人によって変わるのです。

冒頭でお伝えした私のいつもの量は、350mlの缶ビール2本で約28gです。男性の目安の40gより少ないものの、女性の目安の20gは超えています。私の量を、そのままお手本にはしないでくださいね笑

筋トレの日も、飲む量は健康の目安より少なくしましょう。女性なら、500mlの缶ビール1本より少ない量です。

筋トレの日にお酒と付き合う3つのコツ

「量に気をつければいいのは分かったけど、具体的にどうすればいいの?」

筋トレの日にお酒を楽しむためのコツを、3つご紹介します。

コツ1:お酒を飲む前にタンパク質をとる

私はお客様に、「飲むなら、先にタンパク質をとってから」とお伝えしています。

第2章の表でご紹介した、いちばん多く飲んだ研究には続きがあります。この研究では、お酒と一緒にタンパク質をとった場合と、タンパク質のかわりに糖質をとった場合も比べています。筋肉を作る反応の下がり方は、タンパク質をとったほうが小さかったのです。

お酒を飲まずにタンパク質だけをとったときと比べた、筋肉を作る反応の低さは次のとおりです。

  • お酒+タンパク質:24%低い
  • お酒+糖質:37%低い

空腹のまま飲むとアルコールの吸収が早まることは、飲んでも太りにくい&二日酔い知らず!賢いお酒の飲み方完全ガイドでもお伝えしています。おつまみなら、枝豆・豆腐・焼き鳥(ささみ)・刺身などがおすすめです。

コツ2:飲む量を、飲み始める前に決めておく

飲み始めてから「もう1本」となるのは、よくありますよね笑

「今日は350mlの缶ビール1本まで」のように、飲み始める前に量を決めておきましょう。500mlの缶を買わずに350mlの缶にする、2本目の代わりに炭酸水を飲む、といった工夫もおすすめです。

コツ3:飲みすぎた翌日は、トレーニングを軽くする

私自身、飲みすぎた翌日は、トレーニングを軽くしています。

第2章でご紹介したとおり、体重1kgあたり1g(体重60kgなら350ml缶ビール約4本)を飲んだ研究では、運動の1日半後の筋力の落ち込みが大きくなっていました。飲みすぎた翌日は、いつもどおりの力が出にくいことがあります。

そんな日は、重さや回数を減らして、軽めに動きましょう。

飲む前にタンパク質、飲む量は先に決める、飲みすぎた翌日は軽く。この3つで、晩酌も筋トレも続けていきましょう。

まとめ

  • 筋トレのあとにお酒を飲んでも、それだけで筋トレの効果が消えるわけではない
  • 気にするべきは量。少量なら筋力の回復に影響しなかった研究がある。たくさん飲むと、回復が遅れたり、筋肉を作る反応が下がったりしていた
  • 健康の面では、1日の純アルコールを男性40g(ビール1L)、女性20g(ビール500ml)より少なくするのが目安

筋トレの日にお酒を飲んでも、それまでの筋トレが無駄になるわけではありません。

気にするべきは、飲むかどうかより、どれだけ飲むかです。量に気をつけながら、晩酌も筋トレも楽しみましょう。

当ブログでは、今回のような「よく聞くけれど、本当かどうか分からない話」を研究と現場の経験の両方からお伝えしています。気になるテーマがありましたら、また覗いてみてください。

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